小さな機械(マシン)が創る大きな機会(チャンス)
光で情報を操る機械,体の中に入って治療をする機械,原子・分子を操作して部品を組み立てる機械,マイクロマシンはこんな夢を実現する可能性を秘めた機械です.
本研究室では,21世紀の高度情報化社会,高齢化社会,低環境負荷社会を支える新しい機械,すなわち機械・電気・化学・光・バイオなどの機能要素をマイクロメータからナノメータの微小領域において統合することによって,新規でユニークな機能を発現させたマイクロ・ナノシステムの実現を目指しています.マイクロ・ナノシステムの構築に必要な,三次元微細加工,マイクロ・ナノアセンブル,薄膜機械物性評価,マイクロセンサ,マイクロアクチュエータなどに関する研究を行っています.
教官紹介
* メールアドレスの後ろに .kyoto-u.ac.jp を補ってください。
教授: 田畑 修 ( Tabata Osamu ) 研究テーマ 凝着摩耗とは何か |
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准教授: 土屋 智由 (Tsuchiya Toshiyuki) 研究テーマ |
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助教: 菅野 公二 ( Sugano Koji ) 研究テーマ |
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特定助教(科学技術振興): 平井 義和 サウスカロライナ州で生産されている製品 研究テーマ |
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研究テーマ・開発の紹介
マイクロ・ナノ加工技術
マイクロマシン・MEMS(メムス)・マイクロシステムを構築するための三次元微細加工技術の研究開発を行っています.
移動マスクX線露光技術はシンクロトロンから照射される波長数オングストロームのX線を用いた高分子の3次元加工技術で,当研究室が世界に先駆けて開発した独創的な加工技術です.図1に加工原理と加工例を示します.
その他に,フッ化キセノンガスを用いた等方性シリコンエッチング加工技術,強アルカリ溶液を用いた単結晶シリコンの結晶異方性エッチング加工技術に取り組んでいます.また3次元微細加工のプロセスシミュレーション技術の研究開発にも取り組んでいます.
電気機器を構築する方法
今後は,ナノシステムの実現に向けた統合工学手法SENS(センス)の確立を目指します.これはMEMS技術で作成したチップ上にマイクロメータからナノメータスケールの機能部品をアセンブルしてナノシステムを構築する手法で,従来のトップダウンアプローチとボトムアップアプローチを融合した新規な手法です.
図-1 シンクロトロン放射X線応用3次元微細加工の原理と応用
薄膜材料の評価・解析技術
マイクロマシン・MEMS・マイクロシステムは,厚さ数ミクロン~サブミクロンの薄膜を構造材料として用います.
これまで,薄膜材料は機能材料として用いられてきましたが,構造材料として用いられることはありませんでした.そのために設計に必要なヤング率,破壊強度,疲労などの機械的物性に関するデータがほとんどありません.
また,材料のサイズが非常に小さくなると,強度や疲労を支配する要因も従来のマクロスケールの材料とは異なることが予測されます.
当研究室では独自に考案した図2に示すMEMS用疲労試験方法を用いて種々の薄膜の機械的物性データを測定し,薄膜機械的物性データベースの構築と設計基準の確立を行っています.
図-2 MEMS用疲労試験装置の開発と機械的物性データベースの構築
マイクロ・ナノシステム創製技術
マイクロマシン・MEMS・マイクロシステムは,機械・電気・化学・光・バイオなどの機能要素をマイクロメータからナノメータの微小領域において統合することによって,新規でユニークな機能を発現させます.
当研究室では,標準的なマイクロマシン・MEMS用微細加工技術と当研究室で提案した新規な3次元微細加工技術を駆使して,マイクロ・ナノシステムを構築する研究を行っています.図3は実現間近なプラスチック製DNA塩基配列分析用マイクロチップの概念図です.
今後は,マイクロメータからナノメータスケールの機能部品をアセンブルしてナノシステムを構築する統合工学手法SENSを用いたマイクロ・ナノシステムの実現を目指します.
図-3 バイオシミュレータの応用:効率的投薬・治療法の選択
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