目次
序:トルコ共和国の概要
I.経済動向
1.1. トルコの主要経済指標は? (例-GDP成長率、雇用、輸出・輸入)
1.2. 日本との経済関係
1.3. インフレ率はどのくらいか?
1.4. トルコの外国為替政策と外国為替法は?
1.5. トルコの税制システムは?
1.5.1 所得税
1.5.2.消費税
1.6. 産業部門別雇用状況は?
1.7. 労働力の教育水準はどのくらいか?
1.8. トルコの最低賃金はいくらか?
1.9. トルコの特別給与体系は?
1.10. トルコの社会保障制度は?
1.11. 工業用電気の価格は?
1.12. 交通機関はどのくらい発展しているのか?
1.13. トルコで外国人を雇う事は出来るのか?
1.14. 労働法が外国人労働者の雇用に影響を与えるのか?
1.15. トルコの労働法とは?
1.15.1.労働契約
1.15.2. 残業
1.15.3. 雇用と解雇
1.15.4 労働組合
1.16.トルコの失業保険の額は?
1.17.有給日数は何日か?
1.18.トルコの休日はいつか?
1.19. 労働組合の加入率は?
1.20. 1995年から1999年までの間に、ストライキで何日間の労働日数を失ったか?
II.環境問題
2.1. 重工業に対する許可は?
2.2. どのような活動が環境インパクト評価の対象となるのか?
2.3. どのような活動が環境インパクト評価の事前研究の対象となるのか?
III.外国貿易
3.1. トルコの輸出構造は?
3.2. 輸出の形態は?
3.3. 製品の 輸出は無税で行えるのか?
3.4. トルコの輸出促進制度は?
3.5. 輸出貸付、保証、輸出貸付保険システムはどのような機能か?
3.6. トルコの輸入構造は?
3.7. トルコの主要輸入製品は?
3.8. トルコのセーフガード規制は?
3.9. 輸入に必要な書類は?
3.10 トルコの工場から欧州市場への商品と機械の持込みと持ち出しのための必要事項は?
3.11. 米国、日本、EU諸国等から機器(機械)を持ち込むために重要な法律は?
IV.投資環境と投資奨励策
4.1. トルコの投資環境に関する情報は?
4.2. トルコの投資政策は?
4.3. どのような法律が技術・産業・知的所有権に対する交付金の弊害となるのか?
4.4. 外資企業への投資奨励策は?
4.5. ビジネスを立ち上げるためにどのくらいの時間が必要か?
4.6. ビジネスを行うためにどのような手続きを行わなければならないか?
4.7 投資促進にどの機関が関っているのか?
4.8 自由貿易エリアはどのような利点があるのか?
V.財政
5.1 外資系企業が国内金融市場でどのように資金調達を行えるのか?
5.2ソフトローンと起業家資本の内容と貸付状況
関係連絡先
トルコ共和国の概要
面積 : 81万4,578平方キロメートル(日本の約2倍)
人口 : 6,700万人 (日本の約2分の1)
大イスタンブール市の人口は32市全域の総計で1,003万人/全人口の14.8%。
1995年から2000年までの年間人口増加率は1.62%で、2020年以降トルコの人口は7,500万人から8,000万人になると予測されている。
通貨 : トルコリラ (TL)
時差 : GMT + 2
日本との時差はマイナス7時間。サマータイム期間はマイナス6時間となるので3月4週目の日曜日午前0時に時計を1時間進める。終了は10月4週目日曜午前0時。
言語 : トルコ語
ウラル・アルタイ語系。文法が日本語に類似しており、またアルファベット標記であることから、日本人には親しみやすい言語と言われる。
気候 : トルコの気候は3つに区分することが出来る。黒海沿岸地方は温かく、年間を通じて雨が多く、冬は寒くなく、夏もそれほど熱くはない。エーゲ海から地中海沿岸地方にかけては典型的な地中海性気候で,冬はそれほど寒くなく,夏は暑く乾燥している。中央のアナトリア高原では、夏は暑く乾燥し、冬は長く厳しいステップ気候の地域である。トルコ最大の都市イスタンブルは緯度では青森に近いが、気温の変化そのものはむしろ東京に似ている。特に4月から10月までが快適な季節といわれ、夏は35度強と少々高めとなるが湿度が少ないため過ごし易い。
都市の人口:
イスタンブール(商業)、首都のアンカラ(政治)、イズミール(貿易・観光)がトルコ三大都市と言われている。 日系企業のほとんどがイスタンブルの新市街および近郊(イズミット、ゲブゼ、アダパザル)に集中している。
都市名 | 1996年の 人口(百万人) | 面積 (km2) | 都市名 | 1996年の 人口(百万人) | 面積 (km2) |
イスタンブール | 10.0 | 5,312 | シャンルウルフャ | 1.3 | 19,336 |
アンカラ | 3.5 | 25,401 | ディヤルバクル | 1.2 | 15,205 |
イズミル | 3.0 | 12,016 | マニサ | 1.2 | 13,227 |
ブルサ | 2.0 | 10,887 | ハタイ | 1.2 | 5,825 |
コンヤ | 1.6 | 40,814 | コジャエリ | 1.2 | 3,625 |
アダナ | 1.5 | 14,045 | サムスン | 1.1 | 9,363 |
アンタルヤ | 1.5 | 20,788 | ガジアンテップ | 1.1 | 6,845 |
イチェル | 1.5 | 15,513 | バルックエシル | 1.0 | 14,474 |
|
|
| カフラマンマラシュ | 1.0 | 14,456 |
人口構成:
トルコは30歳以下の人口が約6割を占める非常に若い力に溢れた国であり、トルコは豊富な労働力を備えた生産基地であると同時に大きなマーケットとなっている。
年齢 | 人口 (千人) | 年齢 | 人口 (千人) |
12-14 | 3,986 | 40-44 | 4,165 |
15-19 | 7,064 | 45-49 | 3,599 |
20-24 | 4,668 | 50-54 | 2,866 |
25-29 | 4,397 | 55-59 | 2,326 |
30-34 | 4,300 | 60-64 | 2,256 |
35-39 | 4,635 | 65 + | 4,576 |
教育(トルコの大学と科学技術機関) :
トルコには71の大学がある。ボアジチ、中東工科大学など国内最高学位の大学では英語で授業をしている。1999年から2000年度に大学に在籍している生徒の数は149万1,806人である。 同年に入学した生徒の数は39万6,512人で、1999年度に卒業した生徒の数は21万901人である。各大学には491の学部が存在する。 また、チャナッカレ大学、エルジィス大学、ボアジチ大学などでは日本語学科・コースを設けており、進出日系企業にとっては流暢な日本語を使う人材を容易に登用することができる環境となっている。
学部 | 学生の人数 (1999-2000) | 卒業生の人数 1999 |
文学・言語学 | 31,547 | 4,795 |
数学・自然科学 | 66,897 | 10,225 |
健康科学 | 66,593 | 9,919 |
人文 | 43,140 | 7,852 |
法律 | 22,239 | 3,427 uhaulナイアガラBlvdに落ちる。 |
政治 | 21,070 | 3,932 |
経済 | 60,221 | 8,639 |
経営 | 52,283 | 8,520 |
コミュニケーション・マスコミ | 11,951 | 1,293 |
教育科学 | 171,437 | 29,330 |
芸術 | 10,920 | 1,354 |
科学技術 | 117,652 | 18,301 |
建築 | 10,905 | 1,774 |
工学 | 106,747 | 16,527 |
農林水産 | 27,470 | 5,145 |
I. 経済動向
1.1.トルコの主要経済指標は? (例―GDP成長率、雇用、輸出・輸入)
トルコは80年代以降、急速に市場経済化を推進し、1995年から2000年までの年間GDP成長率は4.2%、2000年から2005年までの成長率は6.5%になると予測している。また、2000年から2023年までの成長率は7%になると予測している。なお、2002年の実質GDP成長率は、第1四半期に1年ぶりに前年同期比1.9%のプラス成長に転じ、第2四半期には8.2%と予想を上回る高成長となっており、景気は底をうったとみられている。
「2001年主要経済指標 :トルコ政府統計」
GNP :1,482億ドル(2000年2,013億ドル) GNP/人 :2,160ドル(2000年2,986ドル) GDP成長率 :5.2%(2002年上半期) インフレ上昇率 :CPI 68.5%(2000年39.0%)WPI 88.6%(2000年32.7%) 貿易収支 :△47億7,500万ドル(2000年△223億7,500万ドル) 輸出 351億400万ドル(2000年316億6,700万ドル) 主要輸出品 :繊維製品、鉄鋼製品、農産物加工品 主要輸出国 :独、米、伊、英、仏(日本第36位) 輸入 398億7,900万ドル(2000年540億4,200万ドル) 主要輸入品 :機械機器、石油、電気製品、自動車 主要輸入国 :独、伊、露、米、仏(日本第7位) 経常収支 :33億1,400万ドル(2000年△98億1,900万ドル) 財政赤字 :28,566兆トルコ・リラ(2000年12,846兆トルコ・リラ) 外貨準備高 :187億4,110万ドル(2000年221億7,220万ドル) 為替レート:1ドル=155万3,000トルコ・リラ(2002年11月末現在) 失業率 :8.5%(2000年6.6%) |
1.2.日本との経済関係
<日本からの直接投資>
イスタンブール日本人会登録は45社。現在、トヨタ、いすず、ホンダ、ブリジストン、タカニチ、豊田鉄鋼、三五、中央発條、ニッタ、カゴメ、第一園芸、矢崎総業、YKKの14社の日系企業が製造活動を行っている。日本からの投資は、2000年以降トヨタによる新規投資などもあり活発となり、2000年は99年の約14倍増(1億9,212万ドル)、2001年は更に前年比35%増の2億5,860万ドルとなった。(2001年度末累計、17億3,1270万ドル)。自動車企業をはじめとした日系進出企業は、トルコ国内マーケットのみならず対欧州市場への輸出基地として位置付けている。
<日本・トルコ経済関係>
トルコのDEIK(対外経済関係会議)は、1993年4月トルコ企業と日本企業との貿易・投資関係を促進することを目的に、日本の経団連との間で「日土共同経済委員会」を設立した。現在日本側は鹿島建設の梅田貞夫社長、トルコ側はラクス財閥のアスラン・オネル会長が代表を務める。同委員会は、毎年一方の国で委員会会議を開催している
<日本との 貿易関係>
[主要輸出品目]
機械機器(一般機械(原動機)、輸送機械(自動車、自動車部品)、電気機械
[主要輸入品目]
食料品(トマト加工品、ドライフルーツ等)、煙草の葉、金属原料(非鉄金属
鉱)、魚介類、繊維製品(繊維二次製品)
[日本とトルコの貿易額] (単位 :百万ドル、通関統計)
97年 98年 99年 2000年 2001年 (前年比)
トルコへの輸出 1,747 1,666 920 1,212 741 (△38.9%)
トルコからの輸入 69 143 160 170 155 (△ 9.1%)
[トルコから日本への輸入シェア(%)が高い品目(2001年)]
ヘーゼル・ナッツ(96.0)、ポピーの種(85.6)、天然ホウ酸塩(88.3)、タイム(76.6)、イチジク(30.8)、タバコ葉(28.9)、乾燥アプリコット(26.3)、トマト・ピューレ(25.4)、ししゅう品(23.4)
1.3.インフレ率はどのくらいか?
過去、高いインフレ率に悩まされたトルコであるが、経済構造改革の進展に伴い、2002年1月~9月のインフレ率はWPI 21.7%、CPI 20.1%で、依然として2002年の政府目標WPI 31%、CPI 35%の達成が可能な状況が続いている。
年度 | 卸売物価指数(WPI) | 消費者物価指数(CPI) |
1995 | 64.9 | 79.9 |
1996 | 84.9 | 79.8 |
1997 | 91.0 | 99.1 |
1998 | 54.3 | 69.7 |
1999 | 62.9 | 68.8 |
2000 | 32.7 | 39.0 |
2001 | 88.6 | 68.5 |
2002 1-9 | 21.7 | 20.1 |
1.4.トルコの為替政策と為替制度は?
2001年2月の金融危機を受けてトルコはクローリング・ペッグ制から変動相場制へ移行。中銀は、変動幅がトルコ経済に悪影響を及ぼさない範囲であれば市場に介入しないことを原則としている。
利益、配当金などの海外への移転については特に制限はない。
中央銀行外国為替レートは トルコ中央銀行HPをご参考ください。
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1.5. トルコの税制システムは?
トルコの税制システムは以下の3つに区分される。
1.5.1.所得税
法人所得税 、個人所得税
1.5.2.消費税
付加価値税 、銀行・保険 取引税、印税
1.5.3.資産税
相続・贈与税、資産税
1.5.1.所得税
トルコの所得税はトルコ人、外国人の個人所得及びトルコにある企業の所得にもとづいている。非居住者の雇用、財産の所有、会社経営などの利益活動は課税の対象であるが、それはトルコからの収入のみが対象である。
法人所得税:
税金徴収システム上,会社は有限会社と個人経営の会社に分けられる。法人所得税は有限会社に適用され、国営企業,ビジネス団体,地域団体も所得税の対象である。
企業の支払う税はその企業の形態により異なる。本社がトルコ国内にある企業は全税額を支払わなければならない。その場合、トルコ国外での収入も税金の対象となる。もし、外資企業が現地事務所や合弁会社を通じて企業活動をする場合は法人税の対象となる。もし、企業がトルコに事務所がなく、企業活動を行っている場合、収入に対して源泉徴収税が課せられる(トルコでのサービス提供など)。
一般的な法人税の税率対象は30%である。トルコに本社がある会社は、トルコ国外の収入にも税が課せられるが、海外での収入に対して、海外での税金支払いのための資金が与えられる。トルコ国外に本社を持つ企業がトルコ国内に事務所を持つ場合、トルコの事務所の収入の年間繰越金が税の対象となる。国内に本社がない場合、技術提携、特許、賃貸料の海外への支払いは、10-25%の源泉徴収税の対象である。トルコは日本を含む46カ国と二重課税防止条約を締結しており、これらの国の企業は源泉徴収の減税の対象である。
個人所得税:
トルコ国内での給与、貿易・ビジネスでの収入、不動産の賃貸料、特許からの収入は所得税の対象である。個人所得税の税率は15~45%である。
1.5.2.消費税
付加価値税 (VAT):
商品の取引,及び,サービス提供は付加価値税の対象で,1-40%の税率が課せられる。一般的な税率は10%である。現地購入品と輸入品で、付加価値税の含まれていないものは"インプット付加価値税"とみなされている。付加価値税が込む,もしくは計算済みのセールスは,"アウトプット付加価値税"とみなされている。翌月の25日に関連する税務署で,インプット付加価値税はアウトプット付加価値税に対して差引き勘定される。もし、アウトプット付加価値税がインプット付加価値税を上回っている場合,超過料金は関連税務署局に支払われる。その一方で、インプット付加価値税がアウトプット付加価値税を上回っている場合、その差額は翌月のアウトプットに繰り越される。ゆしゅつをのぞいて、超過したインプット付加価値税の払い戻しは行われない。
その他に、逆請求付加価値税制度という国内企業の海外送金に対しての付加価値税請求制度がある。この制度のもとでは、トルコの企業は付加価値税を外資企業を代理として支払う。現地企業は付加価値税をこの付加価値税をインプット付加価値税として取り扱い、その月に差額を支払う。資金の流用を除いて、この付加価値税はトルコと外国企業への課税にはならない。
II型ガス缶
銀行・保険取引税 :
金融・保険業の取引は付加価値税の対象ではないが、銀行・保険取引税の対象である。この税額は銀行の収入(例えば、ローン利子率など)によって決まる。
印税 :
印税は幅広い書類(契約書、手形、資金寄付、保証書、財産証明など)に適用される。
1.5.3.資産税
相続税と贈与税:
贈与または相続したものは資産税の対象で,その物品価値の1~30%の税金が課せられる。外国で税金の支払われた財産は控除の対象となる。相続税は5年間にわたり支払う事が出来、年間二回の分割払いをすることも出来る。
資産税:
資産税は土地や建物に課せられ,毎年支払い、その税率は0.3%~0.6%である。売却されている資産は4.8%の微税が売人と買人に課せられる。資産が資本として譲渡された場合,税率は2.4%に減税される。
1.6.産業部門別雇用状況は?
部門 | 雇用者数(千人) | 割合 |
農林水産業 | 10,096 | 45.0 |
鉱業 | 134 | 0.6 |
製造業 | 3,117 | 14.0 |
電気、ガス、水道 | 78 | 0.1 |
建築 | 1,192 | 5.0 |
貿易、観光 | 2,944 | 13.0 |
交通、通信、輸送 | 863 | 4.0 |
金融、保険、不動産 | 520 | 2.0 |
コミュニティーサービス | 3,107 | 14.0 |
1.7.労働者の教育水準はどのくらいか?
進出企業のほとんどが指摘する労働者の勤勉さがトルコの大きなアドバンテージになっている。
労働者の教育課程 | 人数 (千人) |
文字が読めるが、卒業証明証がない | 836 |
小学校 | 12,293 |
中学校 | 2,293 |
職業中学校 | 36 |
高校 | 2,413 |
職業高校 | 1,693 |
大学・高等教育 | 2,083 |
1.8.トルコの最低賃金はいくらか?
最低賃金は政府によって定められたものであるが、実質の賃金は最低賃金よりも高い。最低賃金は政府により半年、または四半期ごとに見直しがされる。最近の最低賃金は、2002年6月1日から12月までで213,210,000TL(約130ドル)となっている。
1.9.トルコの特別給与体系は?
特別給与は労働者の給料の30‐40%、管理職の25%‐30%である。最も多いい特別給与体系としては、二ヶ月~四ヶ月分の給与が年間ボーナスと与えられる。さらに現金の特別給与が出産、結婚時に送られる。暖房と衣服に対する手当てが労働組合の合意に基づき与えられる。
1.10.トルコの社会保障制度は?
法律により,全ての雇用者は社会保障制度により保証され,その制度に対して支払いをすることが義務づけられている。制度は職務中の事故,病気,妊娠,傷害,高齢,死亡の全てのカバーしている。一般的な治療費も社会保障によって支払われる。
社会保障は,雇い主と従業員個人により支払われる。雇い主と従業員の支払い率は雇い主が給与の19.5%~25%,従業員が14%である。その他に,雇用基金を雇い主が3%,従業員が2%支払わなければならない。トルコが相互保険条約を結んでいる国の国民は,自国の社会保障制度でトルコに滞在する事が出来る。
雇用法により,男性は60歳,女性は58歳で定年退職できる。
1.11.工業用電気の価格は?
年度 | 価格 US$ ( kWh 当たり, 税込み) |
1995 | 0.0763 |
1996 | 0.0853 |
1997 | 0.0773 |
1998 | 0.0754 |
1999 | 0.0883 |
2000 | 0.0710 |
2001 | 0.0795 |
1.12.交通機関はどのくらい発達しているのか
陸路 /1000 km² | 78.1 km |
鉄道 /1000 km² | 11.0 km |
陸路/10000 人 | 9.6 km |
鉄道/10000 人 | 1.4 km |
年度 | 旅客(百万人/km) | 貨物 (百万トン/m) | ||||
陸路 | 鉄道 | 空路 | 陸路 | 鉄道 | 空路 | |
1995 | 155,202 | 5,797 | 2,666 | 112,515 | 8,632 | 231 |
1996 | 154,836 | 5,229 | 2,754 | 123,748 | 9,018 | 240 |
1997 | 162,979 | 5,840 | 3,007 | 124,340 | 9,716 | 263 |
1998 | 166,658 | 6,160 | 3,243 | 135,271 | 8,466 | 274 |
1999 | 175,236 | 6,146 | 3,349 | 150,971 | 8,446 | 286 |
1.13.トルコで外国人を雇う事は出来るのか?
トルコで外国人を雇用することは可能である。トルコで働くためには、外国人は投資局から労働許可証を入手しなければならない。この労働許可書と同時に内務省から移住許可証を得なければならない。
1.14.労働法が外国人労働者の雇用に影響を与えるのか?(例-居住権、雇用)
トルコで居住し、働くためには,非居住者は外国投資局から許可証を入手し,内務省から居住許可書を入手しなければならない。非居住者を雇う企業のみが労働許可書の申請をすることが出来る,本人が労働許可証を申し込む事は出来ない。
六ヶ月以上滞在の申請書は海外投資局に送られ,従業員の身分と会社の活動が考慮された上で,労働許可証を発行するかどうか決められる。なお、医者,歯科医,看護婦,獣医,眼科,公証人はトルコ国籍のみの人が働く事が出来る。
1.15.トルコの労働法とは?
1.15.1.労働契約
雇用者に関する法律は以下の3つである。
1. 労働法 No.1475
2. 海洋労働法No. 854
3. 出版労働法No 5953
労働法第1475条によると、1年以上働く場合には雇用契約を結ばなければならない。
1.15.2.残業
トルコの法的労働時間は週4.5時間である。地下での一日三時間以上の残業、もしくは、年間90日以上の残業は許されていない。一般的な残業給与の割合は平日が日給の50%で、週末および、祝日が100%である。
1.15.3.雇用と解雇
労働法1475条によると、一年以上の雇用は契約を結ばなければならない。仕事を辞めるときには15日前に事前通告すれば労働契約を破棄する事が出来る。
1.15.4.労働組合
- DİSK (労働者革命労働組合組合)
- TİSK (トルコ雇用者組合)
- TÜRK-İŞ (トルコ労働者組合)
- HAK-İŞ (トルコ労働者権利組合)
1.16.失業保険は?
現在の労働法のもとでは、企業は辞職やその他の理由により仕事を辞める従業員に対して、給与を一括払いしなければならない。退職金は、年俸に一ヶ月分上乗せして計算される。退職金の制限は一年に4回調整される。もし従業員が自主的に退職した場合は、雇い主は退職金を払わなくてもよい。
1.17.トルコの有給日数は何日か?
勤務年 | 有給日数 |
1-5 | 12 |
1-15 | 18 |
15+ | 24 |
1.18.トルコの休日はいつか?
-祝日:10月29日(共和国記念日)
-公的な休日:4月23日(子供の日)、5月19日(共和国記念日)、8月30日(戦勝記念日)
-宗教の休日:ラマダン 3日間, 犠牲祭4日間
-新年:1月1日
1.19.労働組合の加入率は?
11.9% (2,300万人の労働者に対して2,648,927人が加入している。)
II. 環境問題
業界の予測を構築する方法?
2.1.重工業に対する許可は?
環境アセスメントは全ての投資インセンティブ、ライセンス等を取得する前にいくつかのタイプの工業への投資に必要である。
2.2. どのような活動が環境影響評価の対象となるのか?
1) 原材料の精製,製造
a) 原油精製(原油から円滑剤を作っている企業を除く)
b) 石炭,アスファルトの精製工場(一日500トン以上)
2) 石油コンビナート
3) タイヤ工場(タイヤ、チューブ、ゴム、コードなど)
4) 医薬品,健康製品の精製工場
5) バッテリー、電池工場
6) 火薬、可燃物生成工場
7) 石油、石油製品、化学製品貯蔵工場(合計貯蔵量5,000立方メートル以上)
8) 化学肥料生産工場
9) セメント、レンガ工場
10) 陶器、瀬戸物、ガラス工場
11) 染色、裁断工程を持つ繊維、カーペット工場
12) 生皮工場(革製品の加工工場を除く)
13) セルロイド,繊維素,紙生産工場
14) 砂糖工場
15) イースト工場
16) 家畜小屋と肉加工施設またはそれに準じた施設 (年間4,000トン以上の家畜を保有)
17) アスベストを含む製品とアスベストの加工施設
a) アスペスト生産-セメント製品で年間生産は20,000トン以上
b) 摩擦材料をセイントして生産する設備で、年間50トン以上の生産をしている所。
c) 200トンのアスペストを使っている施設
18) 特別工業地区
19) 自動車製造工場
20) 焼却,化学廃棄,埋蔵,毒物,危険分津の貯蔵を伴った廃棄物処理場(1,200kg以上),
21) 鉄鋼施設;
a) 鉱石から原料を作る施設
b) 液体金属を作る施設 (年間生産料100,000トン以上),
c) 製造工場 (生産能力年間100,000トン以上)
d) 熱加工、冷却工程施設 (年間10,000トン以上)
e) 鋳物工場 (年間5,000トン以上)
f) パイプ工場(年間100,000トン以上)
22) 鉄以外の金属の精製,生産工場,
23) サーマルプラント(電力150MW以上)
24) 核プラント及び放射能施設
25) 放射能廃棄物貯蔵施設(これらの施設は放射線廃棄物の貯蔵と精製のために作られたもの)
26)核物質生産,精製施設
27) 大型インフラ施設,
a) 高速道路,国道(市民が整備計画に関わっているものを除く),
b) 空港(滑走路が2,100m以上)
c) 港
d) 波止場 (20,000トン以上載貨重量の船を停泊可能)
e) マリーナ
f) 貯水池(100万立方メートルもしくは,15平方キロメートル)
g) ダム(電力50MW以上)
28) 集合住宅(1000戸以上)とオリンピックスポーツヴィレッジ
29) 観光施設(200部屋以上)
30) 石油,ガスパイプライン(パイプライン-太さ600mm以上)
31) 送電線154キロボルト以上
32) 浚渫施設(200,000 立方メートル以上)
33) 船舶格納庫,
34) ドック
35) 1,000万立方メートルの地下ポンプと水供給設備と30,000立方メートルのポンプを持つ水供給設備 (貯水池を含まない)
36) 採掘法3213条に基づいて,ライセンスを取得した採掘活動
a) エネルギー鉱山
b) 金属鉱山
c) ホウ素,重硝石,原子,硫黄,リン塩酸,硝石,カセイドン,ストロンチウム,長石、トロナなどの採掘場
d) 全ての鉱山石精製施設 (鉱石の粉砕のみの施設を除く)
37) 海岸での石油精製業務
38) 固形廃棄物の貯蔵(10ヘクタール以上で,一日に100トン以上を貯蔵)
2.3.どのような活動が環境インパクト評価の事前研究の対象となるのか?
1- 化学製品の中間財製造と製品の貯蔵
2- 石油,石油化学製品,化学製品(500立方メートルから5,000立方メートル)
3- 食品・酒造産業
a) 家畜小屋,肉加工(年間1,000トンで,年間4,000トンまでの家畜保有を含む)
b) 動物,野菜油工場
c) 乳製品生産工場 (1日に5,000リットル以上生産)
d) ビール,モルト工場
e) アルコール,酒造生産工場
f) 水生産工場
g) 缶詰工場
4- タバコ工場,
5- 繊維プラント
a) 合成繊維工場
b) 染料,裁断工場
c) 羊毛加工工場
6- 木材を化学加工,合成加工,ベニアなどにする工場
7- セメント加工工場
8- レンガ,屋根がわら工場
9- 鉄鋼―鉄工場,
a)液体金属を作る工場
b) 製粉工場
c) 熱加工・冷却工程施設
d) 鋳物工場
e) パイプ工場
10- レール,ワゴン,軌道車体工場
11- モーター,エンジン工場
12- 電気・電気機械施設
13- 石炭,褐炭施設
14- 地熱発電パワー生産
15- 家庭ガス、コークス施設
16- 土地利用とインフラプロジェクト
a) 廃棄物貯蔵施設
b) 焼却,化学廃棄,埋蔵,毒物,危険物質の貯蔵を伴った廃棄物処理場
c) 教育施設,スポーツ施設
d) 深海投棄,汚水ろ過施設
e) 集合住宅 (200部屋から1,000部屋まで)
f) 観光施設(50部屋以上200部屋まで)
g) 波止場
h) マリーナ,漁港(船の修理,格納設備を含む)
i) 浚渫施設
j) 埋立地
k) 空港
1) 貯水池(貯水量1,000万立方メートル,もしくは,1~15km平方メートル)
m) 幹線道路
17- 石油採掘生産活動
18- 採掘法に指定された金属と,石切り場と塩精製場
III. 外国貿易
トルコの貿易政策において重要な転換期は1996年1月のEUとの関税同盟成立である。この関税同盟成立により貿易関連の法はEUと調和され,輸入・輸出ともEUの規制と調和された。
3.1. トルコの輸出構造は?
輸出に関連している省庁は首相府外国貿易省である。貿易省の輸出に関する業務は,輸出規制,条例の制定,輸出政策の設定,貿易規制の改定,自由貿易エリアの設定である。
輸出業務のコーディネートと促進,マーケティングは貿易庁の管轄となっている。
3.2.トルコの輸出形態は?
輸出形態は関税規制に基づいた量と製品の輸出を行っている。
トルコの輸出は以下のように区分できる:
a) 一般的な輸出
b) 登録輸出
c) 信用貸付輸出
d) 輸出委託
e) 輸入品の輸出
f) 自由貿易エリアへの輸出
g) 物の取引の輸出
h) リース品の輸出
i) 貿易取引
j) 贈与品の輸出
3.3.製品の輸出は無税で行えるのか?
法により規制されている品目以外の全ての商品は、輸出法令の枠組みの中で自由に輸出する事が出来る。
しかし、市場混乱時、輸出品目の不足時、国民の健康・環境保護、歴史的価値のあるものなどの場合は、WTOの規制に基づき規制を課すことが出来る。
3.4.トルコの輸出促進制度は?
WTOとEU関税同盟締結により,トルコは輸出業者に対する間接的な輸出促進制度を設けている(財政,保険,輸出促進,マーケティング援助など)。 特に中小企業には有利な制度を設定している。現在10種類の国の援助プログラムが実施されている:
I. | 研究開発プロジェクトに対する国の援助 |
II. | 環境保護に対する国の援助 |
III. | 国際展示会参加への国の援助 |
IV. | 国内見本市開催への国の援助 |
V | マーケットリサーチに対する国の援助 |
VI. | 海外進出に対する国の援助 |
VII. | 雇用確保のための国の援助 |
VIII | 職業訓練に対する国の援助 |
IX. | 特許申請資金に対する国の援助 |
X. | トルコの商標とトルコの製品の普及を目的とした活動に対する国の援助 |
3.5.輸出貸付、保証、輸出貸付保険システムはどのような機能か?
トルコ輸出入銀行はトルコ経済の自由化に大きな役割を果たしている。トルコの輸出競争力をつけるため,自由経済は輸出入銀行の第一目標である。GATT協定の枠組みの中で,トルコの輸出代替政策を撤廃し直接的な輸出促進制度を撤廃するため輸出入銀行は重要な役割を果たしている。
輸出入銀行は信用貸付保証,輸出貸付保険を通じて,輸出を促進している。
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3.6.トルコの輸入構造は?
2001年の輸入構造は透明、明白で、WTOとEU関税同盟,他の国々との自由貿易協定,発展途上国との条約の枠組みの中で作られ,輸入業者や他の人々にもわかりやすいものとなっている。関税は透明性を保ち,輸入業者にもわかり易くするため,製品の原産国と部門別に基づいてその割合が設定されている。
3.7.トルコの主要輸出入製品は?
トルコの主要商品別輸出(2001年) 単位:1,000ドル、%
品目 | 金額 | 構成比 | 伸び率 |
ニット衣類 | 3,641,200 | 11.6 | 5.3 |
ニットを除く衣類 | 2,639,429 | 8.4 | 46.6 |
自動車・同部品 | 2,335,381 | 7.5 | 14.3 |
電気機器 | 2,259,578 | 7.2 | 27.4 |
鉄鋼 | 2,069,932 | 6.6 | 23.0 |
機械機器 | 1,745,323 | 5.6 | 16.6 |
果実 | 1,201,056 | 3.8 | 3.3 |
織物製品 | 1,055,227 | 3.4 | 39.9 |
金属製品 | 975,727 | 3.1 | 18.2 |
綿糸 | 842,540 | 2.7 | 12.8 |
総計(その他含む) | 31,342,035 | 100.0 | 100.0 |
トルコの主要商品別輸入(2001年) 単位:1,000ドル、%
品目 | 金額 | 構成比 | 伸び率 |
鉱物性燃料 | 8,339,366 | 20.1 | -19.4 |
機械機器 | 6,306,560 | 15.2 | -40.5 |
電気機器 | 3,633,632 | 8.8 | -66.6 |
自動車・同部品 | 1,827,054 | 4.4 | -35.3 |
鉄鋼 | 1,797,367 | 4.3 | -20.5 |
プラスチック製品 | 1,733,426 | 4.2 | -20.2 |
有機化学品 | 1,624,319 | 3.9 | 5.1 |
医療用品 | 1,087,808 | 2.6 | -23.3 |
精密機器 | 953,084 | 2.3 | -12.0 |
綿糸 | 950,070 | 2.3 | -24.0 |
総計(その他含む) | 41,399,083 | 100.0 | 100.0 |
出所:貿易庁 |
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3.8.トルコのセーフガード規制は?
トルコのセーフガードは.ある特定の製品の輸出が増加し,それが国内産業に重大な影響を与える場合のみ適応され、主に数量制限を行う。トルコは現在WTOのセーフガードルールと調和したセーフガード規制を準備することに取り組んでいる。首相府貿易庁輸入局 セーフガード課が担当している。
3.9.輸入に必要な書類は?
輸入を行うため,税金番号を修得すればそれで十分である。農作物といくつかの健康や環境に影響を与える商品,環境保護に関する商品は証明書が必要である。
3.10.トルコの工場からヨーロッパのマーケットへの製品の持ち込み、持ち出しのための必要事項?
製品の持ち込み、持ち出しにはいくつかの書類が必要である。それは,移動証明,原産国証明,検査証明,管理証明、植物動物検疫証明、ATA カルネとなっている.
3.11.アメリカ,日本,EU諸国等からの設備(機械)をもちこむために重要な法律は?
機械機器の輸入は,サービス保証が必要な商品を除いて無税である。これらの商品は空調機器,洗濯機,湯沸し器,シャベルカ-,旋盤器,テレビ,自動車,トラクターなどとなっている。その一方で,中古品,欠陥品は外国貿易省から許可を得なければならない。
IV. 外国投資環境と奨励
4.1.トルコの投資環境関する情報
トルコにおける海外直接投資体制は、2003年6月に施行された法令4875条によって公示されている。新法は、国内・海外投資家に対し平等に扱うということに基づき、投資家や投資に関する幅広い定義とともに、海外投資家に対する国際的に認められた権利および保証を強調している。
国内投資に開放されている分野は海外投資家にも開放されている。しかしながら,外国人投資家が従わなければならない法令,規制もある。このような法律は,放送,航空,海路,国益に関わる鉱山,国民の健康に関わるものを規制している。規制の内容は以下のようである。
· 放送業界への20%までの出資
· 航空、航路、郵便、テレコムニュケーションへの40%までの出資
· 不動産と漁業は外国人投資に開放されていない
4.2.トルコの投資政策は?
・新たな海外投資定義。「外国資本」の代わりとなり、より国際的に受け入れられている「海外
投資」という、新たな概念を使用する。
・新たな海外投資家定義。「海外投資家」とは、居住地または国籍基準の両方に基づく。
・審査や承認手続きの廃止。会社設立や参加、資産増額などにおける承認はポスト通知システム
に交替する予定。
・自由投資、国民優遇、送金、論争の解決、土地の入手、収用などのような概念は、国際的基準に明示的に定義されている。
4.3.外資企業への投資インセンティブ策は?
―各種優遇措置
<地域区分>
政府は開発地域を以下の3つに区分し、開発の遅れている優先開発地域への投資を促進している。
a. 発展地域(イスタンブール、コジャエリ各県、アンカラ、イズミール、ブルサ、アダナ、アンタルヤ各市域)
b. 一般地域(発展地域および開発優先地域に隣接する地域)
c. 開発優先地域(その他の地域)
<投資奨励措置対象分野>
投資奨励措置は、上記のb、cに分類される地域での投資および中小企業の投資、政府認可のフリートレードゾーンにおける投資のすべてに適用される。しかし、aに分類される地域への投資では、以下の業種、投資形態に限定される。
a. 電力(自家発電を含む)
b. インフラ投資
c. BOまたはBOT方式による投資
d. 研究・開発(R&D)投資
e. 環境保護に関する投資
f. f.先端技術を伴う投資
g. エレクトロニクス産業
h. 船、ヨットの製造
i. 造船、船舶修理
j. テクノ団地、情報技術、教育、公衆衛生、観光など政府が定めるサービス産業
k. 設備拡張・近代化、生産性・品質向上のための投資
l. 投資額が5,000万ドルを超える新規投資で、先端技術・高付加価値を伴い、税収や雇用創出に貢献するすべての業種
<インセンティブ証明の取得>
投資奨励措置を受けるには「インセンティブ証明」を取得する必要がある。同証明取得のために必要な最低投資金額は、開発優先地域においては250億トルコ・リラ、その他の地域では500億トルコ・リラである。「インセンティブ証明」の取得を申請しようとする者は、優先開発地域については5,000万リラを、その他の地域については1億リラをそれぞれ事前に中央銀行に預託する必要がある。証明の取得が認められない場合は、これら預託金は返却される。
<投資奨励措置>
インセンティブ証明を受けた投資案件は、以下の投資奨励措置を受けることができる。
1. 一般のインセンティブ
(1) 関税の免除:資本材(原材料・中間財、備品を除く)を輸入する場合は関税を免除する。ただし、自動車、トラック、トレーラーなどの車両や付属物、家具、セメント、建築資材、陶器製の台所用品や食器などは対象外。
(2) 投資免税:建物、機械・設備などの投資額相当を法人課税評価額から控除する。
(3) 付加価値税の免除:機械機器など生産設備の輸入、国内調達に対して支払った付加価値税は還付する。開発優先地域においては、付加価値税に10%を上乗せした分を還付する。
(4) 中古機械設備の輸入を許可する。ただし、10年以上のものは、貿易庁輸入局の許可が必要となる。
(5) 中小企業に対するインセンティブ:従業員150人以下の製造部門の中小企業で、投資額が500億リラを上回らない中小企業に対して既述のインセンティブを適用するとともに、有利な制度融資を行う。また、中央銀行の預託金が免除される。
(6) 開発優先地域における追加インセンティブ
(7) 電力料補填:ワン、ディヤルバクル、シュルナクなど東部の一部未開発6地域における投資に対しては、1.のインセンティブに加えて、使用電力料金の50%を政府が補填する。
(8) 税金の免除:バトマン、ディヤルバクル、マルディン、シャンルウルファなど22地域において新規業種の投資を行う場合は、操業後5年間にわたって法人税、所得税の免除が受けられる。これら地域では、「インセンティブ証明」の取得も免除される。
<フリーゾーンでの銀行営業に対する優遇措置>
フリーゾーン内で営業する銀行は準備預金制度の適用を受けない。金利・手数料も自由に決めることができる。
<二重課税防止>
日本・トルコ租税条約が95年1月に批准、30日後に発効した。
詳しい情報は財務庁HPを参照:エラー! ブックマークが定義されていません。 (財務庁)
4.4.トルコでビジネスを立ち上げるのにどれくらいの日数がかかるか?(トルコでの会社登録)
平均的な日数は3週間またはそれ以下となっている.
4.5. 投資促進にどの機関が関わっているのか?
首相府財務庁海外投資局がトルコへの海外直接投資を促進する主要機関となっている。
財務庁投資局
Inonu Bulvari 06510
Ankara - Turkey
Phone : 90-312-2128914
Fax : 90-312-2128916
URL : エラー! ブックマークが定義されていません。
海外直接投資促進にかかわる他の機関
海外経済委員会(DEIK)
Odakule İş Merkezi , İstiklal Caddesi No : 286
Beyoğlu, Istanbul - Turkey
Phone : +90-212-2434180
Fax : +90-212-2434184
www.deik.org.tr
トルコ商工会議所連合会(TOBB)
Ataturk Bulvari, No : 149 Ankara - Turkey
Phone : +90-312-4177700
Fax : +90-312-4183268
www.tobb.org.tr
中小企業開発局(KOSGEB)
MKEK Genel Mudurlugu, Tandogan, Ankara - Turkey
Phone : +90-312-2128141
Fax : +90-312-2122508
www.kosgeb.gov.tr
南東アナトリア開発計画(GAP)
Willy Brand Caddesi No : 5 Cankaya, Ankara - Turkey
Phone : +90-312-4422324
Fax : +90-312-4401384
www.gap.gov.tr
貿易庁
Undersecretariat for Foreign Trade
Inonu Bulvari 06510 Ankara - Turkey
Phone : +90-312-2128800
www.foreigntrade.gov.tr
4.6. 自由貿易エリアはどのような利点があるのか?
自由貿易エリアは以下のような利点を提供しています。
キ トルコの自由貿易エリアは、無関税エリアである。このエリアで行われる経済活動の収入は所得税、法人税、付加価値税などすべての税金を課せられることがない。
キ 認可を受けた企業の申請、ビジネス活動時の手続きは最小限に抑えられる。
キ 他の国の自由貿易エリアとは対照的に、トルコの自由貿易エリアでは、国内市場での販売が許可されている(ただし、国内市場への販売は取引額の0.5%を支払わなければならない)。
キ 自由貿易エリアでの売上、収入はトルコを含むほかの国に許可なく自由に移転することができ、関税、や規制の対象にはならない。
キ トルコの自由貿易エリアは、地中海、エーゲ海、黒海の港と隣接している。加えて、国際空港と高速道とのアクセスも整っている。
キ 使用許可証の有効期限はテナント使用者は最大で10年、エリアに自分の事務所を持つ企業には20年発行される。生産者、投資家に対する使用許可は、テナント使用者にはそれぞれ15年、30年になる。投資形態により、使用許可証は99年まで延長できる。
キ 商業活動を開始して10年間は、ストライキやロックアウトなどは許されていない。しかしながら、10年間の間にもしこのよう名事態が起きた場合には、高等仲裁委員会により解決される。
キ 自由貿易エリアでの外資資本の参入に制限はない。
キ 欧州、中東、東欧へのアクセスの優位性は、トルコの自由貿易エリアの戦略的位置付けをさらに高めている。
キ トルコの中央銀行で交換のできる通貨は自由貿易エリアで使用することもできる。
キ トルコの自由貿易エリアで、価格、標準、製品の質に対する制限はない。
キ トルコの自由貿易エリアのインフラは国際基準を満たしている。
キ トルコの自由貿易エリアでは、地方自治体法、パスポート法、外交投資法、外国投資促進法、その他自由貿易エリア法と矛盾した法律は適応されない。
V. 財政
5.1 外資企業がどのようにしてトルコ国内市場で資金調達を行うのか?
トルコの財政は万国共通の金融システムで,保険,リース,株売買の分野は,国際基準と慣習に基づいた銀行は様々なサービスを提供している。外資企業と国内企業への国内金融機関からの資本貸付は同等である。
5.2. ソフトローンとベンチャーキャピタルの内容と貸付状況
ベンチャーキャピタルはトルコでは新しい制度であり、法規制はまだ完全に整っていないが、いくつかの銀行が貸付を行っている。中小企業はベンチャーキャピタルとソフトローンの貸付を受けることができる。2002年の政府予算の中で、ソフトローンの予算は、10兆トルコリラ(6,700万US$)である。
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